マルチキャリア追跡:統合APIが必要な理由
ECサイトや物流プラットフォームを運営されている方であれば、複数の配送業者との連携がどれほど大変かご存じでしょう。ヤマト運輸、佐川急便、FedEx、DHL ── キャリアごとにAPIの仕様が異なり、そのすべてを個別に管理するのは想像以上のコストがかかります。
本記事では、個別連携に潜むコストを明らかにし、統合APIアプローチがなぜ優れた選択肢なのかを解説します。
個別キャリア連携の隠れたコスト
一見すると「各キャリアのAPIを1つずつ呼べばいい」と思えるかもしれません。しかし、実際に運用を始めると、さまざまな問題に直面します。
開発コスト
キャリアごとにAPI連携を構築する場合、以下の作業が必要です:
- APIドキュメントの調査 — キャリアによっては日本語・韓国語・ドイツ語でしか提供されていないこともあります
- 認証処理の実装 — OAuth、APIキー、Basic認証など、キャリアごとに異なります
- レスポンス解析の開発 — XML、JSON、HTMLスクレイピングなど形式はバラバラです
- エラーハンドリングの実装 — 各キャリア固有のエラーコード体系に対応が必要です
1つのキャリア連携に平均して 2〜4週間 の開発期間がかかると言われています。10社のキャリアに対応するだけで、半年以上の工数を費やすことになります。
メンテナンスコスト
連携後の保守コストも見逃せません:
- API仕様変更への対応 — キャリアがAPIを更新するたびにコードの修正が必要です
- 廃止されたエンドポイントの移行 — 突然のAPI廃止に対応しなければなりません
- 新キャリアの追加 — 事業拡大のたびに同じ作業を繰り返します
- 障害対応 — キャリアのAPI障害時に個別のフォールバック処理が必要です
一貫性のないデータフォーマットの問題
個別連携で最も厄介なのは、キャリアごとにデータ構造が大きく異なることです。
// キャリアAのレスポンス
{
"shipment_status": "IN_TRANSIT",
"last_update": "2026-01-25 10:30:00",
"location": "Tokyo Hub"
}
// キャリアBのレスポンス
{
"tracking": {
"state": "moving",
"timestamp": 1737795000,
"current_location": { "city": "Osaka", "country": "JP" }
}
}
// キャリアCのレスポンス(XML)
// <TrackingResponse>
// <Status>配達中</Status>
// <DateTime>2026-01-25T10:30:00+09:00</DateTime>
// <Place>名古屋営業所</Place>
// </TrackingResponse>
これらを統一的に扱うには、キャリアごとにパーサーを書き、ステータスのマッピングを定義し、データの正規化処理を実装する必要があります。この作業はコアビジネスには直接貢献しない、いわば「車輪の再発明」です。
統合APIアプローチのメリット
統合追跡APIを使うと、上記の問題をすべて解消できます。どのキャリアでも同じインターフェースでアクセスでき、レスポンスも統一された形式で返されます。
// WhereParcel APIなら、すべてのキャリアで同じコード
const response = await fetch('https://api.whereparcel.com/v2/track', {
method: 'POST',
headers: {
'Content-Type': 'application/json',
'Authorization': 'Bearer YOUR_API_KEY:YOUR_SECRET_KEY'
},
body: JSON.stringify({
trackingItems: [{
carrier: 'jp.yamato', // ヤマト運輸でも
// carrier: 'us.fedex', // FedExでも
// carrier: 'de.dhl', // DHLでも
trackingNumber: '1234567890'
}]
})
});
const result = await response.json();
// レスポンス形式はすべてのキャリアで統一
console.log(result.data.status); // "in_transit"
console.log(result.data.events[0].location); // "Tokyo Sorting Center"
1つのコードベースで、500社以上の配送業者に対応できます。
直接連携と統合APIの比較
| 項目 | 直接連携 | 統合API(WhereParcel) |
|---|---|---|
| 初期開発期間 | キャリアごとに2〜4週間 | 1日で全キャリア対応 |
| 対応キャリア数 | 自社で実装した分のみ | 500社以上 |
| データフォーマット | キャリアごとにバラバラ | 統一JSON形式 |
| 認証方式 | キャリアごとに異なる | 単一のAPIキー |
| メンテナンス | 自社で全キャリアを保守 | WhereParcelが保守 |
| API変更への対応 | 自社で対応 | WhereParcelが対応 |
| 新キャリア追加 | 都度開発が必要 | 自動的に利用可能 |
| エラーハンドリング | キャリアごとに実装 | 統一的なエラー体系 |
| 月間コスト | 開発者の人件費 | APIプランの利用料 |
統合APIが最適なケース
すべてのシステムに統合APIが必要とは限りません。以下のようなケースでは、統合APIの導入を強くお勧めします。
導入すべきケース
- 複数キャリアに対応する必要がある — 3社以上のキャリアを扱う場合、個別連携のコストは急激に増大します
- 越境ECを展開している — 海外キャリアのAPIは仕様が複雑で、言語の壁もあります
- 追跡は本業ではない — 配送追跡はあくまで付加機能であり、コアビジネスに集中したい場合
- 迅速な市場投入が求められる — 追跡機能の開発に数ヶ月をかける余裕がない場合
直接連携が適切なケース
- 単一のキャリアしか利用しない — 1社だけならAPI連携はシンプルです
- キャリアとの深い連携が必要 — 集荷依頼や料金計算など、追跡以外の機能も必要な場合
- 自社の追跡インフラがすでに整っている — 長年の運用で安定している既存システムがある場合
まとめ
配送業者への個別連携は、表面的にはシンプルに見えますが、実際には膨大な開発・保守コストが隠れています。特に複数キャリアに対応する場合、統合APIを活用することで開発期間を数ヶ月から数日に短縮し、チームが本当に重要な機能の開発に集中できるようになります。
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