プロアクティブな配送追跡でWISMO問い合わせを60%削減

ECサイトのカスタマーサポートで最も多い問い合わせは何でしょうか。答えは 「WISMO(Where Is My Order? = 私の注文はどこ?)」 です。業界データによると、WISMO問い合わせはCSチケット全体の約50%を占めており、企業にとって膨大なコストの原因となっています。

本記事では、プロアクティブな配送通知の導入によってWISMO問い合わせを60%削減し、顧客満足度を大幅に向上させた事例をご紹介します。

WISMOの問題点

WISMO問い合わせが企業にもたらすダメージは、想像以上に深刻です。

コストの現実

指標数値
CS問い合わせに占めるWISMOの割合約50%
WISMO 1件あたりの対応コスト$5〜$10
月間5,000件のWISMO対応コスト$25,000〜$50,000
年間のWISMO対応コスト$300,000〜$600,000

顧客への悪影響

コストだけではありません。WISMO問い合わせが頻発する状況は、顧客体験にも深刻な影響を及ぼします:

  • 不安と不満の増大 — 注文後に何の連絡もないと、顧客は不安を覚えます
  • ブランド信頼の低下 — 「荷物の状況もわからない店」という印象を持たれます
  • リピート率の低下 — 配送体験が悪いと再購入の意欲が著しく下がります
  • SNSでの悪評 — フラストレーションがたまった顧客はSNSに不満を投稿します

解決策:プロアクティブな配送通知

WISMOの根本原因は「情報の不在」です。顧客は荷物の状況がわからないからCSに問い合わせるのです。であれば、顧客が聞く前に情報を届ける ことが最も効果的な解決策です。

通知すべき主要マイルストーン

配送プロセスにおいて、以下の5つのマイルストーンで通知を送ることをお勧めします:

  1. 発送完了 — 「ご注文の商品を発送しました」
  2. 配送センター到着 — 「商品がお届け地域に到着しました」
  3. 配達中 — 「本日中にお届けします」
  4. 配達完了 — 「商品をお届けしました」
  5. 遅延発生時 — 「配送に遅れが出ています。新しいお届け予定日は〇月〇日です」

WhereParcel Webhookによる実装

WhereParcelのWebhookを使えば、これらの通知を簡単に自動化できます。

const express = require('express');
const app = express();
app.use(express.json());

/**
 * WhereParcel Webhookエンドポイント
 */
app.post('/webhooks/shipping', async (req, res) => {
  // すぐにレスポンスを返す
  res.status(200).json({ received: true });

  const { event, data } = req.body;
  const order = await findOrderByTrackingNumber(data.trackingNumber);

  if (!order) return;

  // マイルストーンに応じて通知を送信
  const notifications = {
    'tracking.in_transit': {
      email: {
        subject: `【Your Store】ご注文の商品が配送センターに到着しました`,
        body: `${order.customerName}様\n\nご注文番号 ${order.id} の商品が、お届け地域の配送センターに到着しました。\nお届け予定日:${formatDate(data.estimatedDelivery)}\n\n追跡はこちら:https://your-store.com/tracking/${data.trackingNumber}`
      },
      sms: null  // このマイルストーンではSMS不要
    },

    'tracking.out_for_delivery': {
      email: {
        subject: `【Your Store】本日中にお届けします`,
        body: `${order.customerName}様\n\nご注文の商品が本日中にお届け予定です。ご不在の場合は不在票をお届けします。\n\n追跡はこちら:https://your-store.com/tracking/${data.trackingNumber}`
      },
      sms: `【Your Store】ご注文の商品が本日お届け予定です。追跡:https://your-store.com/t/${data.trackingNumber}`
    },

    'tracking.delivered': {
      email: {
        subject: `【Your Store】商品をお届けしました`,
        body: `${order.customerName}様\n\nご注文の商品をお届けしました。\n商品に問題がございましたら、お気軽にお問い合わせください。\n\nレビューを書く:https://your-store.com/review/${order.id}`
      },
      sms: `【Your Store】ご注文の商品をお届けしました。ご確認ください。`
    },

    'tracking.exception': {
      email: {
        subject: `【Your Store】配送状況のお知らせ`,
        body: `${order.customerName}様\n\n配送に遅れが発生しております。大変申し訳ございません。\n理由:${data.events[0]?.description}\n\n最新の状況は追跡ページでご確認いただけます:\nhttps://your-store.com/tracking/${data.trackingNumber}\n\nご不明な点がございましたら、サポートまでお問い合わせください。`
      },
      sms: `【Your Store】配送に遅れが出ています。詳細:https://your-store.com/t/${data.trackingNumber}`
    }
  };

  const notification = notifications[event];
  if (!notification) return;

  // メール送信
  if (notification.email) {
    await sendEmail(order.customerEmail, notification.email);
  }

  // SMS送信
  if (notification.sms && order.customerPhone) {
    await sendSMS(order.customerPhone, notification.sms);
  }
});

導入後の実績データ

プロアクティブな配送通知を導入した結果、以下のような劇的な改善が得られました。

指標導入前導入後変化
月間WISMOチケット数5,000件2,000件60%削減
CS対応コスト(月額)$37,500$15,00060%削減
CSAT(顧客満足度スコア)3.2 / 5.04.5 / 5.040%改善
平均CS応答時間4.2時間1.8時間57%改善
リピート購入率28%35%25%改善
追跡ページの月間PVほぼなし45,000PVセルフサービス化

特筆すべきは、残った2,000件のWISMO問い合わせの大半が、実際に配送トラブルが発生しているケースであったことです。つまり、「単に状況を知りたい」という問い合わせはほぼ完全になくなり、CSチームは本当にサポートが必要な案件に集中できるようになりました。

効果的な通知戦略

数字だけでなく、通知の「質」も重要です。以下の戦略を組み合わせることで、WISMO削減の効果をさらに高められます。

1. チャネルの使い分け

すべてのマイルストーンで全チャネルを使う必要はありません。

マイルストーンメールSMSプッシュ通知
発送完了はいいいえはい
配送センター到着はいいいえいいえ
本日配達予定はいはいはい
配達完了はいはいはい
遅延発生はいはいはい

2. メッセージのパーソナライズ

テンプレートの定型文ではなく、注文内容に応じたパーソナライズが効果的です:

  • 顧客名を含める
  • 注文した商品名を記載する
  • お届け予定日を明記する
  • 自社ブランドのトーンに合わせた文面にする

3. セルフサービス追跡ページ

自社の追跡ページを用意することで、顧客がCSに問い合わせずに自分で状況を確認できます。

// 追跡ページの簡易実装例
app.get('/tracking/:trackingNumber', async (req, res) => {
  const { trackingNumber } = req.params;

  const trackingData = await fetchFromWhereParcel(trackingNumber);

  res.render('tracking', {
    trackingNumber,
    status: trackingData.status,
    events: trackingData.events,
    estimatedDelivery: trackingData.estimatedDelivery,
    carrier: trackingData.carrier
  });
});

追跡ページには以下の要素を含めましょう:

  • 現在のステータスをひと目で確認できるプログレスバー
  • 配送イベントのタイムライン
  • お届け予定日
  • 配送業者の問い合わせ先
  • よくある質問へのリンク

4. 遅延への事前対応

配送遅延が発生した場合、顧客から問い合わせが来る前に通知を送ることが極めて重要です。

async function handleDeliveryException(order, trackingData) {
  // 1. 顧客に即座に通知
  await sendEmail(order.customerEmail, {
    subject: '配送に関する重要なお知らせ',
    body: buildExceptionEmail(order, trackingData)
  });

  // 2. CSチームにアラート
  await notifyCSTeam({
    priority: 'high',
    orderId: order.id,
    issue: trackingData.events[0]?.description,
    customerEmail: order.customerEmail
  });

  // 3. 必要に応じて割引クーポンを自動発行
  if (isSignificantDelay(trackingData)) {
    const coupon = await generateApologyCoupon(order.customerId, '10%');
    await sendEmail(order.customerEmail, {
      subject: 'お詫びとクーポンのご案内',
      body: buildApologyEmail(order, coupon)
    });
  }
}

遅延の理由と新しい到着予定日を明確に伝えましょう。さらに、大幅な遅延の場合はお詫びのクーポンを添えると、顧客の不満を大きく軽減できます。

成功を測る指標

プロアクティブな配送通知の効果を継続的に測定するために、以下の指標を追跡してください:

指標測定方法目標
WISMOチケット削減率月間WISMOチケット数の推移50%以上削減
通知メール開封率メール配信サービスの統計60%以上
追跡ページの利用率Google Analyticsなどの分析ツール月間PVの継続的増加
CSAT改善サポート後のアンケート4.0以上
CS応答時間の短縮ヘルプデスクの統計50%以上短縮
リピート購入率ECプラットフォームの統計前年比10%以上改善

まとめ

WISMO問い合わせの多くは、顧客に情報が届いていないこと が原因です。プロアクティブな配送通知を導入すれば、顧客は自分で状況を把握でき、不安を感じてCSに問い合わせる必要がなくなります。

WhereParcelのWebhook機能を使えば、配送の主要マイルストーンごとに自動通知を送信するシステムを短期間で構築できます。結果として、CSコストの大幅な削減、顧客満足度の向上、そしてリピート率の改善を同時に実現できます。

詳しくはWebhook APIドキュメントをご覧ください。